[TASHIRO TOSHIAKI]インタビュー
2008.2.22[Fri] - 3.23[Sun]に開催されるTashiro Toshiaki展 「dialogue for
future」 prinzプレスインタビュー
[インタビュアーprinz:時田]
1.今回prinzにて開催される展覧会のテーマとコンセプトを教えてください。
テーマは「対話」です。
絵を描き始めて今年で7年になるのですが、今回こういう機会を頂いたことによって初めて今までを振り返り、作品を整理してみたんですね。
改めて過去の作品と向き合うというか。
そこでキュレーターさんともいろいろ話して、「対話」という言葉が見つかったんです。
それは例えば、今の自分と過去の自分の対話だったり、自分と作品を見てくれる誰かとの対話だったり。作品と作品との対話だったり。
今まで描いてきた膨大な数の作品から放つエネルギーというものは自分自身で描いたとはいえ、とても凄まじく痛いものもありました。
作品上でまだ消化できていないものもあるし、到達しているものもありました。
作品と精神的な部分はとても密接な場所にいるので、振り返ることが大変だったりはしたのですが、
自分自身が生んだものに対して、きちんと答えを出してあげたかった。
客観的に、俺は何を伝えたかったんだろう、と。
そこで過去と今の自分が対話をしたんです。その結果、生まれてきたもの、見えてきたもの、それが未来でした。
前を向くための対話、これからも歩いていかなければならないからそのために一度足元を揃えて過去の自分と手を繋いでみたんです。
それは未来に向かう為に対話をする。
タイトルの「dialogue for future」とはそういったニュアンスからきています。
もちろん、それぞれ見てくれた人が感じた解釈が正解だとは思うけど。
キュレーターさんがほとんど俺にヒントくれたようなもんなんだけど。笑
2. 今回の展覧会で伝えたいメッセージなどがあれば教えてください。
100%確実なものを伝えたいということは俺の中では決められない。
ただ、やっぱり見てくださる人が感じる隙間を与えたいな、というのはあります。
特にprinzはギャラリーでもあるし、カフェでもあるでしょ。
その空間に溶け込めるようなもの、その少しでも滞在しているお客さんに対して、邪魔するようなことはしたくないし、
できれば少しでも作品を見て感情が動いてくれればとても幸せです。
今までのたくさんの中から選りすぐりの作品をかなり贅沢に並べてそれに併せて、過去と今が対話した結果、
未来につながるような作品を新作として展示しています。
僕の中では7年間の中で厳選された極上の"DOLCE"のようなイメージ。
是非、おいしい食事や飲み物と一緒にご堪能ください、って感じです。笑
少しだけほろ苦い"DOLCE"もあるかもしれないけど・・・・・笑
きっと美味しいはず。
3.どのような事がきっかけで絵をかきはじめられたのですか。
きっかけ・・・・。何だろう。
もう昔の事なので定かではないですけど元々あまり好きなことではなかったです。
ポジティブな根源から出てきたものではないような気もする。
でもちびっ子の頃からいつも描いていました。日記をつけていくような感覚。
見せる意識もなくやっていたんだけど、高校から少し専門的な学校に行ったんですね。
展覧会に出したり、「見せる」という行為に対して勉強も始めるわけなんですが、
それからは自分の中でいろんなものが混在しすぎてしまって、一度完璧に描くことをやめてしまったんです。
賞とかたまたまたくさんもらったんだけど、いやなことがありすぎて。
わけわかんなくなっちゃって。若かったていうのもあるんですけどね。
んで結局再び描き始めたのは今から7年前だから20くらいのときでしょうか。
その時のきっかけは、ただ単にやることがなくて描いていたら、それがある人の目に留まり仕事になってしまったんです。
ほめられたから調子に乗ったんでしょうね。
その頃の俺は、だいぶ荒んでいてあんま褒められることもなかったから。笑
まあ、それから今の格闘に至るわけなんですが・・・・
でも、戻ってきた感覚もありました。居場所を見つけた感じ。
たぶん、宿命のような感じもします。でも今はまだわからない。
やめたくてもやめられない。描けなくても描こうとしてしまう。
自分が思っている「きっかけ」よりも、本当はもっと凄く深いところにルーツはあるのかも。とかも思います。
4.どのようなことから作品に対するインスピレーションを得られますか。
インスピレーションは、自分が間口を開けていればどんな事からも感じられます。
その代わり、入りすぎてしまうと本当にぐちゃぐちゃになってしまうので、できることであれば作品を作る時は「無」でありたい。
日常生活でいえば、あまりテレビを見ない、思いついたことをすぐ書き留められるようノートを持つ、
なるべく歩く(考える時間を持つため)ことを心がけています。
作品をつくる材料、というかイメージはどこかしらか降りてくるものなのでいつ降りてきてもいいように、
自分自身がパイプだとするならば、そのパイプをなるべく綺麗にしてあげてたいな、という意識はあります。
モチベーションがあがるので音楽はよく聞きます。
それと、そうだ。京都。
今回の個展で何度となく訪れて、製作をしたんだけど京都からだいぶインスピはもらいました。やばかった。
建仁寺という場所は本当にやばいです。笑
みなさんも是非行ってみてくださいね。
5.影響を受けたアーティストはいますか。もしいるのであれば、具体的なエピソードなど教えてください。
影響を受けたかどうかはわからないですが、個人的に好きなアーティストはたくさんいます。
アドルフ・ヴェルフリ、ヘンリー・ダーガー、フンデルト・ヴァッサー、ゾンネンシュターン、フリーダ・カーロとか。
生き方からも教わることができるアーティストが好きです。
高校生の頃、親友が誕生日に「何だか似てるから」とくれたリタ・アッカーマンの作品集は少なからず影響を受けていると思う。
クリス・カニンガム、M/M、ゾーレンゴールド&ミノリ、などCGを使うアーティストにもインスパイアされます。
ゾーレン&ミノリはひょんな事でスタジオに去年呼んでもらったんですよ。
もう何を話したか覚えてない。笑 緊張して。
ただものを作り出す空気感やあの士気の高まった現場を見ることができて本当にうれしかった。
これからの自分に必要なものが目に見えてわかりわくわくしました。
そして、願えば叶うんだな、って思った。
会いたかったから。
絵本作家のエリック・カールや、あのスヌーピーの作者、チャールス・M・シュルツ、なども尊敬しています。
シュルツの言葉で「世の中で一番悲しいことは、人に伝わらないこと」というのがあって、
それで伝える重さ、立場、どれだけ伝えること、伝わることが、崇高で貴重で、難解なのか。と考えるようになったかも。
それから、日本各地にいる、僕にたくさんの言葉をくれる友人たち。
一番、僕に影響を与えているのは確実です。かけがえないと思っています。
6.今後の活動のご予定や方向性をおきかせください。
「印」というアパレルセレクトショップで僕のアートワークでいろんなグッズが発売されるらしいです。
オープンして10周年を迎えられるらしく、大変めでたい記念にそういうお仕事をさせてもらえるのはとっても光栄です。
是非チェックしてみてくださいね。印にも遊びに行ってみてください。
方向性は、あの、だいぶパーソナルな話なんですが、
さっきお話したんですけど、今年で絵を描き始めて7年で、実は僕も今年で7歳なんですよ。笑
というのも、僕は誕生日が4年に1回しか来ないので、今年28になる年に誕生日が来るんですよ。だから7歳。
どうでもいいかもしれないけど、かなり意味のある偶然だなって。
そういうシンクロニシティ的なものをとても素敵に信じるので。笑。
なのでprinzで展示できるのもすごくありがたいと思っているし是非、皆さんにも楽しんでもらいたいです。
この7年間をひとつの区切りとして、また新たな世界観をつくりあげていきたいと思っています。
今までは自分のために描いてきた傾向があったけど、絵を描くことで、たくさんの人と会えたし、たくさんの喜びをもらったんです。
そこには愛があふれていて絵を描き始めたからこそ初めて感じた幸せもありました。
俺はやっぱり、それをできるだけの多くの人に返したいし、伝えたい。
そして少しでもいいから、誰かが僕の作品を見て幸せになってもらいたい。
正直7年前はそういうのなかったから・・
自分の中でいっぱいいっぱいで。
悲しみや苦しさを癒すために絵を描いていたとしたらその代償に喜びというギフトをもらえるなんてこれほど素敵なことはないと思うんです。
本当にいろんなことがあったけど俺は何回も生まれ変われる。そう信じてる。
そして常に歩き続けていたいです。
そう思えたのも、本当に周りのすべての人たちのおかげだし
何より、絵のおかげ。
だから俺は絵を描きます。ずっと。ずっと。ずっと。
いろんなものを発見して体感して、そしてできる限り
皆さんに伝えていきたい。
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